この記事は行方不明者がいる場合の相続手続きについて。
遺言書が無い場合の遺産分割や名義変更は、遺産分割協議書が必要です。
遺産分割協議書には相続人全員のハンコが付かれていることが重要です。
この時に連絡が付かない人が居ると・・・
非常に面倒で疲れることになります。
実は相続で困った事になってるんですよ。
相続人の中で連絡が全く付かない人が居るんですけども。
この人を抜いて手続きを進めても大丈夫ですかね。
・・・それは大変ですね。
今回の相続で遺言書は残されていますか?
それが突然だったものだから・・・
遺言状も何も準備してくれていなかったんですよ。
やっぱり全員参加じゃないとマズいですか?
遺言書がない以上は、遺産分割協議は全員参加が原則ですね。
なので行方不明者を抜きにして協議しても意味がないんですよ。
あちゃー・・・
やっぱしそうですか。
どうやっても連絡が付かない場合は、如何すればいいんですか?
そうですね。
行方不明者がいる場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任をしてもらう必要があります。
選任された管理人が行方知れずの人の代わりに協議に参加するんです。
一応対処方法はあるんですね。
でも裁判所を嚙まさないとダメとは、非常に面倒ですね。
最初に相続人の中に生存が分かってるけど、音信不通で何処に住んでいるのか分からない方がいる場合です。
まず最初に行うことは、探せるだけ探してみる事です。
また専門家(行政書士)などに依頼すると、戸籍の附表から辿って行く手段もとることができます。
住所が分かれば、手紙などを送って協力して貰えるか確認することも可能です。
ここまでしても連絡が付かない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申し立てを行います。
詳しい手続きの方法は裁判所のwebサイトでご確認ください。
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_05/index.html
手続きは不在者の最後の住所(判明した)を管轄する家庭裁判所に申し立てます。
申し立てができるのは、利害関係人か弁護士になります。
また数十万円単位のお金を家裁に差し入れする必要もあります。
不在者財産管理人が家裁から選ばれたら、その人が不在者に代わって遺産分割協議を行います。
管理人のハンコがあれば、有効な遺産分割協議書が完成します。
この書類を持って不動産や銀行口座などの名義変更が可能になります。
次は相続人の中に生きているのか亡くなっているのかも分からない生死不明者がいる場合の対処方法です。
こちらも最初は、手を尽くしてその人の所在を調べる事になります。
それでも分からない場合は、家庭裁判所に失踪宣告を行う必要があります。
詳細な手続きの方法はこちら
要件は以下の通り。
この要件を満たした場合、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てると、不在者は法律上死亡したものとみなされます。
その後に相続人が亡くなった扱いになり、失踪者に子供や孫がいる場合は代襲相続で彼らが相続人になります。
行方不明から7年も待たないと相続が出来ないなんて・・・
そうなんですよ。
行方不明者がいると遺産分割協議や相続の難易度が一気に上昇してしまうんです。
ラストは不在者を抜きにして遺産分割協議をした場合です。
散々手を尽くしても、戸籍上はいるはずの相続人がいない。
これ以上の時間を掛けられないと思い、行方不明者を抜きにして遺産分割協議を作成しました。
この場合の遺産分割協議書は使えない代物(無効)になります。
協議書は、相続人全員のハンコと戸籍が必要になります。
これが欠けていると銀行口座も不動産の名義変更も何もできません。
(名義変更の際に銀行員などが戸籍をチェックしていきますので、抜けがあると銀行員からダメ出しを受けます。)
結局は再度不在者の代理人(不在者財産管理人)を立てて、遺産分割協議をやり直す破目になります。
この様に不在者がいる場合の手続きは非常に面倒で手間がかかります。
不在者がいる場合は専門家に協力してもらう方がスムーズに進むと思います。
相続人の中に音信不通の行方不明者がいる場合の遺産分割協議でした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。