公正証書遺言の変更と撤回

公正証書遺言の撤回
この記事は、公正証書遺言で作成した遺言書の内容を撤回または変更する場合の方法について。

 

結論から言うと

  • 内容の撤回や変更は可能。
  • ただし前に作った公正証書自体に手を入れることは不可。
  • 新しい遺言書を作成する形になる。

 

公正証書遺言の撤回や変更の4コマ漫画

 

 

昔に作った遺言書を撤回したいんだけど、どうすればよいでしょうか。
たしか公証役場で作成した物なんじゃけど。
公証役場に保管した物を取り戻すことは可能ですか。


 

 

公正証書遺言の内容を変更したいんですね。
この場合は、新しい遺言書で前の遺言書を全部撤回することになりますね。
部分的にも可能ですけど、手間がかかりミスの可能性が高いです。


 

 

新しい遺言状ですか・・・
やはり前の遺言状を取り戻すことは難しいのですね。


 

 

そうですね。
一度公証役場に仕舞われた物を取り戻すのは厳しいですね。
新しい遺言書を作り直す方が早いですよ。


 

 

それなら仕方ありませんな。
新しい遺言状も公正証書にしないといけませんかな。


 

 

いえいえ。
自宅で自筆で書かれた物でも大丈夫ですよ。
書き方に気を付けて貰えれば問題ないです。


 

 

そうですか!
どちらでも良いのですね。
じゃあ書いてみますので、間違っている部分があったら教えてください。


 

遺言書の撤回とは

公正証書遺言の見本
遺言書の撤回とは、一旦正しい方法で作られた遺言書の全部または一部を後日に取り消すことを言います。

 

 

例えば上記の公正証書で作った遺言書を撤回する方法は、以下の3つがあります。


 

  1. 前の遺言書を撤回する旨の遺言を作成
  2. 前の内容と抵触する内容の遺言書を作る
  3. 前の遺言書と抵触する内容の遺言書を作成する

 

  • 遺言者が遺言書を破棄する

遺言者が前に作った遺言状を破いて捨てる方法です。
(遺言書に赤ペンで斜線を引くだけでも可能)
自筆で作成した場合なら可能です。

 

しかし公正証書遺言は、公証役場に正本があるため、この方法は使えません。

 

  • 前の遺言書と抵触する内容の行為をする

例えば長男に車を相続させると書いていたけど、その車を処分するなどの行為です。
上げる予定だった物を無くしてしまい、遺言状の内容と矛盾させる方法です。

 

 

この場合も車を相続させる部分は、撤回されたと見做されます。
この方法は公正証書遺言でも使用可能です。


 

以前の遺言書を撤回する旨の遺言書を作成

撤回した旨を書いた遺言書

 

この画像は上記の公正証書遺言の見本の全部を撤回した扱いになります。
文書の最初に、前の遺言書を無かった事(撤回)すると記入します。

 

この画像では、すべて撤回すると書きましたので、前の公正証書遺言は無かった事になります。
その後に新しい内容の遺言を記入していくことに。

 

 

変更点は、妻と長男に相続させる銀行口座を入れ替えたのじゃ。
分かり難くてすまんのう。


 

前の遺言書と抵触する内容の遺言書を作成する

部分的に撤回した遺言書の見本
つぎは最初の公正証書遺言(縦書き)の遺言書を矛盾する内容の遺言書を作成する方法です。

 

複数の遺言書があるばあい、新しい日付の遺言書が優先されます。
古い遺言書と新しい遺言書の内容が矛盾している場合(今回の事例)だと、古い公正証書遺言の内容は矛盾する部分を撤回した扱いになります。

 

 

今度のは、長男に株を与え、長女に銀行預金を与えると変更した。
こっちは公正証書の4条はまだ生きている形になる。
つまり遺言執行者の件は有効と言うわけじゃ。


 

新しい遺言書を作る際の注意点

新しい遺言を書く場合のポイント

 

  • 自筆証書で修正すると見つからないリスク
  • 部分的に古い遺言が有効だとややこしくなる
  • 自筆証書の場合、検認が必要
  • PCで作成はNG
  • 日付は正確に
  • 字が乱れすぎるのも危険

 

簡単に注意点をご紹介します。

 

 

自筆証書で修正すると見つからないリスク

公正証書と違い自筆証書の場合、保管する場所に気を付ける必要があります。
万が一、相続の段階で見つからなければ、前に作られた公正証書遺言が正式な物扱いになります。

 

なので新しい遺言を作られた場合、

  • 相続人に伝えておく
  • 分かり易い場所に保管する
  • 法務局の保管サービスを利用

 

などの対策が必要になってきます。

 

ちなみに法務局の保管サービス(自筆証書遺言保管制度)は、最近始まったばかりの物です。
詳しくは法務局のwebサイトをご覧ください。

 

 

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

 

 

 

保管制度を利用する場合、遺言書の書き方に独自のルールがあります。


 

部分的に有効だとややこしくなります。

上記の部分的に撤回する方式ですが、問題点があります。
遺言の内容が複数の書類に跨ってしまうことです。

 

例えばこんな感じです。

  • 第1条は2枚目の遺言書
  • 第2条も同じく2枚目
  • 第3条は古い遺言書
  • 第4条は新しい遺言書

 

残された家族は、複数ある遺言状を前に困惑する羽目になります。
なので遺言を撤回する場合は、全部撤回して新しく最初から作り直す方法がベストです。

 

全部自筆証書なら、破いて捨てるくらいで丁度よいです。

 

その他の注意事項

あとは、普通の遺言書と同じです。

 

自筆証書遺言に検認の手続きが必要だったり。

 

 

関連記事:自筆証書遺言の検認とは

 

 

文書は全部、自分で書く必要があったり。
印鑑で押印をシッカリと押す。

 

日付は「吉日」など不明確な物はNGで、正確な日付を記入するなど。

 

あとは遺言書は一人一通が基本である事など。
(連名の遺言は無効になります。)

 

などなどのルールを守って作成してください。

 

 

公正証書遺言は撤回できる?3つの方法と無効リスク回避ポイントでした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。


 

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