遺言認知をする方法や認知された場合のメリットなどまるっと解説

遺言認知をする方法や認知された場合のメリットなどまるっと解説

遺言書で子供を認知することが可能

遺言書で子供を認知する

 

この記事では遺言で、婚外子を認知する方法とした場合の事についてご紹介します。

 

ちなみに婚外子とは・・・
正式の妻以外との間にできた子供の事を指します。
父親が自分の子供であると認識していても、認知しない限り父親の子供扱いされません。

 

また婚外子が成年の場合は、その婚外子の承諾が必要になります。
(養育費を負担せずに、子供の収入などを当てにすることを防ぐため)

 

認知ですが、生きている内に区役所などに届け出る方法と、遺言書で認知する方法の二種類があります。

 

認知した場合の家系図
今回ご紹介する、遺言書の家系図は上記の通りです。

 

  • 被相続人
  • 配偶者
  • 内縁関係(愛人)
  • 認知した婚外子

 

それで被相続人が、亡くなる前に愛人に産ませた子供を認知した形にしております。

 

遺言書で認知する場合の書き方

遺言書で子供を認知する場合の記載例

 

遺言書が出てくるまでは、相続人は配偶者のみが相続人でした。
遺言で婚外子を認知することで、婚外子も相続人となります。

 

遺言の内容は以下の通りです。

 

  • 妻に銀行預金を相続させる
  • 愛人の子供を認知した
  • 認知した子供に株を与える
  • 遺言執行者に行政書士を指定

 

 

本来なら全文を自筆になりますが、管理人の字は癖があり読みにくいと評判ですので、手書きっぽいフォントで記入しています。


 

書き方のポイント

認知した遺言書の見本

 

これは上記の遺言書で認知部分を拡大した物になります。

 

  • 認知の部分

認知させたい子供の名前と生年月日を記入する。
名前は戸籍に記載されたものと同じ。
子供○○を認知すると記入。

 

  • 相続させる

認知することで、佐藤□□は相続人となります。
相続人なので、与える部分の文言が相続させるとなります。

 

  • 遺言執行者

遺言書で認知されている場合、遺言執行者が必要です。
なので遺言執行者を指定しています。
ここで執行者が選任されていない場合は、家庭裁判所で選任申し立てを行います。

 

 

関連記事:遺言執行者選任申し立てのやり方

 

 

遺言執行者は就職の日から10日以内に、上記の遺言書を市区町村役場に持参して、認知届を提出する必要があります。

 

遺言の効力が発生した段階で、佐藤□□は被相続人山田○夫の子供となり、相続権が発生します。

 

 

法的には届出が無くても認知の効果は発生しますが、外部に証明するためには区役所に届出が必要です。


遺言書で認知された場合のメリット

ここからは遺言で認知する・された場合のメリットをご紹介します。

 

  • 婚外子

被相続人の遺産を相続できる

 

認知されることで、山田○夫の子供となります。
そして被相続人の財産を法定相続分が発生します。

 

民法が改正され、非嫡出子と嫡出子の相続分は同じになりました。
今回の様な、配偶者と子供1人の場合、山田○夫の遺産の半分を相続できる形になります。

 

  • 被相続人の山田○夫のメリット

山田○夫にとって遺言で認知する利点は、生前に妻に愛人の子供を認知したことを伝えなくても良い事です。

 

自分自身は、面倒な修羅場を見ることなく、あの世に行くことができます。
また愛人の子供に財産を遺せることで、子供に対する罪滅ぼしや罪悪感が減少することに。

 

(個人的には酷い話かなと思いますが・・・)

 

遺言書で認知された場合のデメリット

今度はデメリットを紹介します。

 

  • 配偶者側のデメリット

妻の立場からすると、被相続人の財産が半分になる事です。

 

それよりもダメージが大きいのは、愛する夫の裏切りかなと思います。
最後の最後で、愛人の子供を認知したとイキナリ知らさせる事になるからです。

 

精神的なダメージは計り知れないと思います。

 

  • 認知された子供側のデメリット

遺言書で認知され相続人になったことで、遺産の一部を貰うことが可能です。
その反面、残された配偶者や親族との壮絶な修羅場を間違いなく味わうことになります。

 

下手したら、余計な遺言を遺しやがってと言う感じになるかも知れません。

個人的なアドバイス

以前に有った話ですが、愛人の子供を遺言書で認知させたいという相談が有りました。

 

私のアドバイスは、以下の通りです。

  • 生きてる内に認知した方が良い
  • 遺族にごめんなさいと素直に謝る
  • 残された人が壮絶なトラブルになる
  • 妻や子供にとって、良い親父だったと言って貰えなくなる

 

居なくなる側としては、野となれ山となれって感じになるのかなと思いますが。
残された側は地獄でしかありません。

 

それまで良い夫、良い親父であったのが、遺言書を見ると愛人に子供を産ませて認知したとあっては・・・
最悪の裏切り行為でしかありません。

 

愛する家族を修羅場に巻き込む事を防止するには、生きている内に告白する必要があります。

 

そして素直にごめんなさいと謝罪するしかないと思います。

 

告白する方も受けた方もダメージは大きいですが・・・
死んでから告白するよりも炎上度合いは小さくなります。
(人間関係の要である人が存在するから)

 

過ぎたことは仕方が有りません。
これからの事を考えるほうが建設的かなと思います。

 

 

遺言認知をする方法や認知された場合のメリットなどまるっと解説でした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。


この記事を書いた人

 

行政書士 山田 和宏

 

行政書士やまだ事務所 所長

日本行政書士会連合会 13262553号

大阪府行政書士会 6665号

申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)

大阪府行政書士会 国際研究会会員

大阪府行政書士会 法人研究会会員

 

【適格請求書発行事業者】

インボイス登録済

番号:T1810496599865

 

【専門分野】

相続手続きや遺言書作成のサポート

丁寧な仕事やこまめな連絡に定評あります。

年間相談件数は、500件を超える。

 

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