遺言執行者に選ばれてしまった。

遺言執行者に選任された場合

 

この記事では公正証書遺言などの遺言書で執行者に選任された場合にするべき仕事についてご紹介します。
執行者は遺言内容の実現を目的に、相続財産の管理など広い権限を付与されます。

 

ちなみに指名段階なら、遺言書に書かれていても拒否することが可能です。
この場合、遺言の実現に必要なら家庭裁判所が遺言執行者を選任することになります。

 

 

関連記事:家庭裁判所で遺言執行者選任申し立て

 

 

遺言執行者に選任された時の4コマ漫画

 

 

親父が亡くなって、仏壇から遺言状が出てきたんです。
その中に俺を遺言執行者に選任すると書かれているんだけど
これ何ですか、何をすればいいんですか?


 

 

遺言執行者の任務は、遺言書に書かれた内容を相続人に代わって実現することです。例えばお父様の銀行口座や家の名義変更などを行います。


 

 

遺言状には執行者は俺一人だったから、俺が全部やらないといけないんですか?
面倒だなあ、誰かに代わって貰うこともはできないんでしょうか?


 

 

確かに面倒ですよね。
そこで遺言執行者には復任権があり、令和元年7月1日以降に作られた遺言書なら、行政書士などのプロに任せてしまうことも可能です。(実務的には令和元年7月1日以前でもできない事はない)


 

 

出てきた遺言状は令和2年に書かれた物らしいから、復任権ってヤツを使えば行政書士の先生にお願いすることも可能なんですね。良かった!面倒ごとから解放される!


 

遺言執行者の仕事内容

遺言執行者の権利と義務
遺言執行者の権利と義務について軽く触れておきます。
執行者の仕事は民法1012条①で規定されております。

 

(遺言執行者の権利義務)

第千十二条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
2 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。
3 第六百四十四条、第六百四十五条から第六百四十七条まで及び第六百五十条の規定は、遺言執行者について準用する。
(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。

 

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

 

引用元:E-GOV法令検索、民法

 

遺言執行者の仕事は、相続財産の管理に関する一切の権限を付与されています。
また執行者の仕事を妨害することは民法にて禁止されています。

 

その反面、様々な義務も課されています。

 

遺言執行者の義務

ここからは義務についてご紹介します。

  • 任務開始

遺言執行者に就職した時は、直ちに仕事に入る必要あり。

 

  • 通知義務

任務を開始した時は、遅滞なく相続人に遺言の内容を通知。

 

  • 財産目録の作成・交付義務

被相続人の財産目録を作成し、相続人に交付しなければならない。

 

  • 報告義務

相続人の請求が有った時は、遺言執行の状況を随時報告する必要あり。

 

  • 受取物引き渡しの義務

執行の過程で受領した金銭やその他の物は、相続人に引き渡す。

 

  • 補償義務

相続人に引き渡すべき金銭や物を、執行者が消費した時は。利息と合わせて返さなければならない。
損害を与えた場合は、補償しないといけない。

 

 

この様に遺言執行者は、目録の交付や補償義務など重い責任を負わないといけません。


 

遺言執行者のスケジュール

遺言執行者の仕事の流れ
ここからは遺言執行者の仕事の流れをご紹介します。

 

遺言執行者就職と遺言状の交付

最初に行うことは、対象者に遺言執行者になった事と実際の遺言書を周知する事です。

 

  • 遺言執行者就職通知
  • 遺言状の原本とコピー

 

日時的には四十九日で相続人や親戚一同が集まったタイミングで行います。
銀行などに対しては、上記の通知を郵送する方法で行います。

 

通知の対象者は、相続人と受遺者(相続人以外で遺産を貰う人)、金融機関などの利害関係者です。

 

これを行う目的は、以下の通りです。

 

  • 相続人による勝手な遺産処分を防止する。
  • 金融機関に通知することで、被相続人の財産の引き出しを防ぐ

 

家庭裁判所で検認する

自筆証書遺言の場合は、家裁で検認という手続きが必要です。
検認に関しては以下のコンテンツで紹介しております。

 

 

関連記事:検認に欠席するとヤバい?

 

 

公正証書遺言の場合は、検認する必要なく即座に仕事に入れます。
(原本が公証役場に保管され、偽造や改竄の心配がないから)

 

相続人調査・財産目録の作成

執行者に就任後に、相続人調査を行います。
亡くなった方の法定相続人と受遺者をすべて洗い出します。

 

四十九日に相続人全員が揃っているとは限りませんので。

 

調査の方法は、被相続人の死んだときから生まれた時までの戸籍謄本を全て取り寄せます。
ここで亡くなった方の子供や兄弟が居るのかを調べます。

 

戸籍調査に概ね1か月程度は必要です。
(スムーズに行かなければ2か月は覚悟)

 

  • 財産目録

被相続人の資産負債をすべて書き記した財産目録を作成します。
これ自体は民法では定められていないです。
しかし執行業務を行う上で必要な書類になります。

 

 

財産の調査よりも借金や保証人の調査が非常に大変です。


 

遺言内容の実現

調査で全ての相続人が確定し、就職通知を全員に行った後。
遺言書に書かれた内容を行っていきます。

 

  • 土地や不動産の名義変更
  • 銀行口座の名義変更や払い出し
  • 証券口座の名義変更
  • 車の名義変更
  • その他・・・

 

これらの業務を行うためには、相続人全員の戸籍謄本や住民票、印鑑証明が必要になることが有ります。
(銀行によっては、全員のハンコも要求する所もあり)

 

 

口座を持ってた銀行や証券会社、陸運局、法務局や司法書士事務所など色々な所に出向いて、毎回説明しながら手続き・・・
想像しただけでウンザリ。


 

任務完了通知・顛末書の提出

各種手続きが終われば、任務完了通知や顛末書を相続人全員に送付します。
顛末書は口頭でも問題ないとされていますが・・・

 

後々のトラブル予防の為に文書でキチンと通知した方が良いです。
(自分の安全のためにも)

 

目的物の引き渡し

名義変更が終わった車や銀行口座に証券口座など。
遺言書に書かれた内容にそって引き渡しをしていきます。

 

この時に執行に掛かった手数料や報酬などを精算します。
(何も言わなければ、執行人のただ働き&持ち出しになります。)

 

法的にも遺言執行者は、相続人にたいして報酬を請求することが可能になっています。

 

 

公正証書遺言執行手続きどうする?指名された人がやるべきこととはでした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。


TOPへ